春になるといろいろな野菜が旬の時期を迎えますね。
春は同時に多くの山菜も旬の時期になります。
そんなものの1つに
「ツワブキ」
があります。
ツワブキはキク科ツワブキ属の多年草なのですが、
「石蕗(イシブキ)」「艶葉蕗(つやばぶき)」とも呼ばれています。
今回はこのツワブキの旬の時期や食べ方、栄養などについて紹介します。
ツワブキとはどんな山菜?旬の時期について
ツワブキはキク科ツワブキ属の多年草です。
見た目は「蕗(フキ)」とよく似ていますが、フキは夏に葉を広げるのに対し、ツワブキは常緑性で一年中青々としています。
どちらかというと、食用よりも観葉植物として知られています。
見た目がフキと似ていますが、フキのようにフキノトウはできず、秋から晩秋にかけて花茎を伸ばし黄色い花を咲かせます。
また、産毛がびっしりと付いているのも特徴です。
主に海岸べりなどに自生し、太平洋側だと福島県周辺に、日本海側だと佐渡島あたりから以西の本州、四国、九州、琉球諸島でみられます。
ツワブキは、食材としてはあまり一般的ではないのですが、九州などの地域で古くから食用とされてきました。
そのためか、現在出荷されているものは、大分県佐伯市や鹿児島県、宮崎県のものとなっています。
ツワブキは春の食材で、収穫は1月頃から始まり、若葉が出てくる3月から4月に最盛期となります。
旬の時期は、3月から4月となります。
ツワブキの栄養と効能について
ツワブキに含まれる栄養成分としては、
・食物繊維
・ヘキセナール
・カリウム
・ビタミンC
などがあります。
「食物繊維」は、有害物質やコレステロール、糖類などの吸収を邪魔する働きがあるとされていて、癌や動脈硬化、糖尿病の予防に有用とされています。
また、腸内環境を調節する作用があり、善玉菌を増やすと共に排便量を増加させる働きがあるとされています。
「ヘキセナール」は、高い抗菌作用があることで知られていて、ウイルスの攻撃から保護すると言われています。
他にも、細胞の老化や血栓の発生を防ぐ働きがあると言われています。また、便秘を改善したり、抗菌の働きもあると考えられています。その他、高血圧や動脈硬化の予防にも有用とされます。
ツワブキは、昔から民間療法で使われていて、下痢や食あたり、筋肉痛、できもの、虫刺され、切り傷、打撲などの症状に使われてきました。
ツワブキには、「ピロリジジンアルカロイド」と呼ばれる成分が含まれていて、これは肝臓に対して有毒な物質になります。
そのため、食べるためにはアク抜きをする必要があります。
ツワブキの選び方と保存方法
ツワブキは、表面に綿毛がしっかりとついていて、シャキッと元気なものを選びます。
綿毛は若く柔らかい葉に多くついていますが、成長すると薄くなっていきます。
ツワブキの保存方法ですが、ツワブキは鮮度が落ちやすいので、袋などに入れて冷蔵庫で保存します。
ただし、なるべく早く調理するようにしてください。
ゆでてアク抜きした場合は、水に浸した状態で保存し、水を毎日交換すれば数日は持ちます
調理方法と食べ方について
ツワブキには固い皮があるので、これを剥いてから調理します。
また、アクも強いので、アク抜きをしてから調理します。
アク抜きにはいくつかの方法があります。
佃煮などにする場合は、皮を剥いてから水に一晩ほどさらします。
炒め物や汁物などの場合は、茹でてアク抜きをします。
調理方法としては、
・炒め物
・佃煮
・煮物
などが定番です。
ツワブキのアク抜きの方法
ツワブキはアクが強いため、調理する際には、下茹でしてアク抜きをする必要があります。
また、皮は固いため剥いておきます。
皮を剥いてから茹でますが、生のままだと皮が剥きにくいので、さっと湯通ししてから皮を剥いたほうが効率よくできます。
佃煮などの場合は、皮を剥いて水に一晩さらしておくだけでも問題ありません。
その他の調理方法の場合は、茹でてアク抜きします。
アク抜きの方法は、
沸騰したお湯に、ツワブキの太い根元部分を浸しかき回すようにしながら30秒ほど茹でます。
次に、柄の部分を全部熱湯に浸した状態でさらに20秒ほど茹でます。
茹で上がったらザルなどにあげ、熱いうちに皮をむいていきます。
皮をむいたものは水に浸しておきましょう。
これを食べやすい長さに切りそろえます。
次に、鍋に水を張り、水に対して2%ほどの塩を加えて沸騰させます。
そこに切りそろえておいたツワブキをいれて、2分ほど茹でます。
茹で上がったら冷水にいれ、そのまま水にさらしておくことで、さらにアクを抜きます。