「IHクッキングヒーター」は、火が出ないから安全ですし、掃除がしやすいなど、
いろいろなメリットから使っている家庭も多いのではないでしょうか。
また、オール電化になると、コンロはIHクッキングヒーターになってしまいます。
このIHクッキングヒーターですが、調理中にたまに”ブーン”という異音がすることがあります。
これはなぜ音が鳴るのか気になりますよね。
もしかして故障?と心配になってしまいます。
そこで、このIHクッキングヒーターの異音について紹介します。
IHクッキングヒーターの異音の正体は?
IHクッキングヒーターの異音ですが、たいてい鍋を置いた時に起こります。
音にはいくつか種類がありますが、あまりいい音ではないですよね。
この音ですが、IHクッキングヒーターから出ている音ではなくて、鍋から音が出ています。
鍋から音なんて出るの?と思うところですが、これはIHクッキングヒーターの仕組みに理由があります。
IHクッキングヒーターは、電磁誘導加熱を使って調理するのですが、
ガラストップの下にはコイルがあり、そこに高周波の交流電流を流すことで磁場が発生します。
その磁場を鍋底に当てて鍋の金属の抵抗で発熱させています。
この時に、鍋は常に1秒間に2万回以上の振動があります。
これはかなり小さい振動なので鍋がガタガタ揺れるわけではなく、目では見えません。
この鍋が振動することが原因で音がします。
基本的にはIHクッキングヒーターの故障ではありません。
音がする場合としない場合があるのはなぜ?
でも、いつも異音がするわけではないですよね。
ではどういう時に音がするのでしょうか。
この音がなるのは、多層鍋を使った場合によく起こります。
多層鍋とは何かというと、外側にステンレス、中間層にアルミや鉄、内側にステンレス、のような鍋です。
外のステンレスでIHクッキングヒーターに反応させ、中間層は熱伝導が高いもの、内側のステンレスはサビ防止という役割です。
要するに鍋1つに複数の種類の金属が使われているのですが、IHが発生させる磁場はすべて同じように当たります。
金属にはそれぞれ共振する周波数があって、例えばステンレスが振動する周波数ではアルミニウムは振動しません。
この状態では、1つの鍋の中で振動する部分と振動しない部分ができるので、
その境目で振動による音がなります。
これが異音の正体です。
また鍋を2つ同時に使っていたりする時に音がする場合がありますが、別の周波数が2箇所で発生することで共鳴する場合があるようです。
また、他の電化製品に影響で音がする場合もあります。
これは電化製品が出すノイズの影響によるものです。
異音を止める方法は?
とはいえ、異音はあまり気持ちのいいものではありません。
できれば止めたいですよね。
確実ではありませんが、止める方法はいくつかあります。
まず試してみるといいのが、鍋を少しずらすことです。
置きなおしたり、火力を下げたりすると音が止まったり小さくなったりします。
ただ、毎回鍋を動かしたりするのは面倒ですよね。
そんな場合は単層鍋にすると音は鳴りません。
(あまり根本的な解決方法ではありませんが・・・)
今まで音が鳴らなかった鍋で音がする場合
今まで音がしなかった鍋が急に音がしだしたということがあります。
この原因は、鍋が経年劣化して変形することで音が鳴る場合があります。
もし鍋底が変形している場合は、IHクッキングヒーターの安全機能が上手く働かなかったり、故障の原因になるので、鍋を買い替えたほうがいいようです。
故障の場合は?
基本的にはIHクッキングヒーターでの異音は鍋が鳴っているだけなので、故障ではありません。
ただ、あまりにも異音が大きい場合や、どの鍋を使っても音がするような場合は故障かもしれませんので、調べてもらうといいでしょう。